キッチンには危険がいっぱい…子供を守るための対策が必要な理由
子供の事故は自宅の中で頻繁に起こっている
子供が事故に遭う場所と言えば車、電車、坂道、公園など外の景色を思い浮かべてしまいがちですが、実は自宅の中でも頻繁に重大な事故は起こっています。
中でも特に危険なのは、様々な危険因子や危険物が揃っているキッチンです。
刃物や火、そして有毒物など、大人でも十分に注意を払わなければならない要素が揃っているキッチンで子供を好き放題にさせてしまうと、命に関わる重大なトラブルを起こしてしまう危険性があります。
キッチンで危険が及ぶのは子供だけではありません。
例えば包丁を使っているときに、突然子供が足にぶつかってきたりしたら、料理をしている親が怪我をしてしまうかもしれませんし、高温の油を使って調理をしているときに同じようなことが起これば、油や調理器具そのものがひっくり返り大やけどを負ってしまう可能性だってあります。
その先に可燃物があれば、火事を起こしてしまうリスクすら潜んでいるのです。全員が幸せな時間を送り続けられるようにするためにも、キッチンの安全対策は最重要課題として考えるべきでしょう。
キッチンには子供にとってどのような危険があるのか
包丁や火以外にも注意すべきものは沢山あります。
キッチンと言えばしょうゆや塩などの調味料や、サラダ油やオリーブオイルといった品が備えられているはずですが、何も知らない子供がこれらを大量に飲んでしまったらどうなるでしょうか。
大人にとっても摂取しすぎると有毒な品々ですが、体の小さい子供にとっては少量の摂取が命を脅かしてしまう可能性もあります。
もちろん調味料以外にも、加熱が必要な生ものや、洗剤などのアイテム、そしてゴミ誤飲されてしまうと大変なことになってしまいます。
テーブルの上には、刃物以外の危険物が乗っていることも多いはずです。
お湯を沸かした直後のケトルを落としたら、これもやはりやけどのリスクになりますし、大きなペットボトルやキャベツなどの重さのある野菜も、何かの拍子に高いところから落ちて子供の頭にぶつかってしまったら怪我や死亡に繋がってしまいます。
大人が思いもしないようなポイントで重大な事故に繋がってしまうというのがキッチンの恐ろしいところでもあります。
子供の安全は注意するだけでは守れない
子供が持つ好奇心の大きさや、イタズラにかける情熱は、子育て中の方であれば理解できているはずです。
注意したり、怒ったりしてキッチンから遠ざけようとしても子供を守ることはできませんし、むしろイタズラ心に火が点いて、余計にキッチンで遊ぼうとしてしまう可能性さえ持っています。
その一方で子供は「何をどうしたら危険なのか」ということを分かっている訳ではありませんから、加減ができずに一目散に危険に向かって突っ込んでしまうことが多いのです。
親が考えるべきキッチンでの事故防止策は、叱ったり諭したりしながらキッチンに近付けさせないということではありません。
そもそもの危険を排除するための対策を取っておく、あるいは子供が「やりたくても出来ない」状況を作り出しておくことを考えましょう。例えお金をかけてでも事故対策を行い、危険から子供を遠ざけるということは、親として、大人としての義務とも言えるでしょう。
キッチンで子供が怪我をしないようにするための具体的な対策
子供が危険な場所に近付けないようにする
特に子供が3歳以下など幼いという場合には、まず危険が集まるキッチンに立ち寄れないような対策を施すことが重要です。
包丁を使って繊細な作業をしていたり、揚げ物や煮物などで集中していたりすると、子供の気配を感じることが難しくなります。子供だけではなく、自分自身も怪我を負ってしまうリスクがありますから、まずはベビーガードを付けて対策を行ってください。
ベビーガードとは、キッチンの入り口に取り付ける門のようなもので、ホームセンターなどで通路に合ったサイズの商品が市販されています。
高さとしては70~80センチ程度のものを選べば、5歳以下の子供には十分に対応することができるでしょう。
ベビーガードは必ずしもキッチン専用として売られている訳ではありませんが、階段からの落下防止用、あるいはペット用の柵など、視野を広げて探せば用途に合った商品を購入することができるはずです。
ベビーガードには様々な機能を持った物があります。
簡易的な柵のような役割しか持たない物もあれば、両側に扉が開くもの、オートロックでより安全に使用できるもの、そして簡単に折り畳んで普段はスタイリッシュに収納できるものまで幅広いラインナップが揃えられていますから、自宅やキッチンに合ったベビーガードを選び、リスクそのものを取り払っておきましょう。
誤ってゴミを飲み込んでしまうというリスクを排除するためには、まずゴミ箱や生ゴミを地面に置かないという原則を忠実に守ってください。
まずは子供が漁らない、手を出せない場所にゴミを置いておくということが基本中の基本です。「すぐに捨てるから一時的に下に置いておこう」という油断が命取りになることもありますから、どんな小さなゴミだとしても手元でまとめて、子供が触れられない場所に置いておきましょう。
安全性が確保されたゴミ箱に置き換えるというのも一つのポイントです。
ふたの付いていないゴミ箱の場合、目を離した隙に子供が中を漁ってしまうということも起こり得ますが、ロック機能が付いたゴミ箱に切り替えるだけで子供が勝手にゴミ箱を開けることはできなくなります。
立ち仕事をしている親にとって便利なのは、足でペダルを踏むとふたが開くタイプのゴミ箱になります。
簡単なギミックですが、小さい子供なら原理が分からずに開けることができませんし、背の高いペダル式のゴミ箱であれば、仮に開けられたところで手を伸ばすことが出来ず、誤飲に繋がるリスクを排除できます。
キッチン内の収納にはカギをかけて危険対策をする
キッチン周り、特にシステムキッチンには多くの収納が備えられており、この中には子供にとって非常に大きな危険を与える品が揃っています。
代表的な物としては包丁やナイフといった刃物がありますし、ピーラーやアイスピックなども誤った使い方をすると大怪我をしてしまいます。こういった危険物が入っている収納には、必ずカギをかけて自由に開けられないような対策を施しましょう。
最近販売されているチャイルドロックは、キッチンの景観を損なわないようにスタイリッシュなデザインで作られているものが多く、キッチンにマッチするように様々なカラーバリエーションも用意されています。
それでいて子供が異常に興味を示さないように、地味で遊び心を感じないデザインの商品を手頃な価格で入手することが可能です。
ホームセンターや赤ちゃん関連商品の販売店でも購入できるので、必ず購入して子供の安全を守ってください。
チャイルドロックをかける場所としては、刃物が収納されているブロックは当然として、誤飲の可能性がある調味料が入っているブロック、落下物で怪我をする恐れがある重い常備品が入っているブロック、そしてワレモノが入っている食器を収納中のブロックを優先し、可能であればキッチン全域の収納にカギをかけることがおすすめです。
火元から子供を守るための安全対策
子供は炎にも強い関心を示します。危険性がわかっていない年齢の場合には火元に手を近付けてしまうこともありますし、コンロの仕組みに興味を持ち、ボタンを勝手に触ってしまうリスクもあります。
安全対策用のロックが付いているキッチンであれば忘れずに逐一ロックを掛け直すことが基本的な安全対策になりますが、そうでない場合には市販されているカバーなどを使って、コンロの操作が出来ないように備えておきましょう。
市販されているスイッチカバーの中で一般的な存在となっているのが、ツマミの部分に透明なキャップを引っかけて保護するタイプの商品です。
操作するときにはカバーを上に持ち上げるだけで火を付けられますが、これを付けておくだけでも子供が勝手に火を点けたり、火力を変えたりすることは不可能になります。
根本的な対策としては、IHのクッキングヒーターに変更するという手段を選んでみても良いでしょう。
最近ではコンパクトに使用できる一ヶ所分だけのIHクッキングヒーターも手頃な価格で販売されるようになっています。
システムキッチンそのものを買い替えなくても対策が出来るので、賃貸物件にお住まいの方でも安全性を高められますし、百万円単位の予算を用意できないという方でもIHを導入することは出来ます。